初心者向け~あなたのリズムの一番の問題点とは~

その全ての点において私が完ぺきだなどというつもりは毛頭ありませんが、プロとアマチュア、初心者と中級者・上級者、を分ける分水嶺は「リズム」にあると思います。

ただ、一口に「リズム」と言っても、フレーズのリズム感の事なのか、変拍子やクロスリズム(Cross ryhthm)、ポリリズム(Poly rhythm)の理解の事なのか、もっと単純に、テンポキープ出来る能力の事なのか、テンポ300のSwingを弾けることなのか...、いろいろな捉え方の視点があると思います。

 

セッションをやっていて、私がいつも感じている初心者の方のリズムの大きな問題点は、拍の立ち上がりが異常に遅い」ということです。ソロなどのフレーズを演奏している時や、バックにまわってサポートしている時でもです。

特にスロー曲や、静かめの曲などにおいて、それは顕著に表れます(ベースソロに入った瞬間、にもよく表れます。いきなり事故っているパターンです)。

スローな曲だからといって、拍が立ち上がる感覚が遅いと、演奏がベタ〜っとだらしなくなってしまうのです。スロー曲に最も必要な「強さ」が出せない。ソロのバックだと、ソリストの後ろ髪を引っ張っているような状態です(逆に、ハシり気味だなと感じたソロのバックでは、あえてそうしている時もありますけど)。

本来、どんな小さな音、弱い音であっても、拍の立ち上がりの感じ方は一定で、鋭くないといけないのです。心電図が心臓の鼓動を表す様を想像してみてください。「ピッ....ピッ....ピッ....」。あれです。この「点」と自分の演奏、または他人の演奏とを照らし合わせていくのです。

そうではなく、テンポが遅いまたは静かな曲だからといって、「い〜ちー、に〜いー、さ〜んー......」の様に「点」を意識しないで拍の立ち上がりを感じてしまうと、フレーズはどんどん後ろに来てしまいます。バンド全体のサウンドがベターっとした演奏になっちゃうのです。ベースソロに入った途端にバックの初心者奏者の方がロストする原因も、大半がこれです。一瞬静かになった瞬間、拍までが後ろにズレちゃうのです。

拍の立ち上がりの捉え方は、「イッ、ニッ、サッ、シッ...」のように、鋭く、点で狙っている必要があります(どんな静かでゆっくりな曲でも)。他人との演奏を、より精度を上げて合わせるために(またはあえてズラすために)必須の能力だと思っています。要はどこで拍の頂点を捉えているかです。

 

この点、バラードなどのスローな曲では、よりシビアになるのは想像に難くないですよね。各自の感じている点がはっきりと周りに伝わりますし、小さい音なのにするどく立ち上がらなければいけないので、技術的に神経も使います。拍はしっかり捉えながらも、メローに歌ったりリズム的にアウトしていったりする(あえて他人と合わせない)ことにより飽きさせない(リズム的にダラけない)工夫も必要になります。スローや、ゆっくり目のミディアムスイングこそ「難しいなぁ」とつぶやかれる所以です。

 

もちろん私だって最初からそんな事知りませんでしたのでご安心ください。これからは、練習の際に、より強く拍の事を意識してみてください。頭の中に、鋭い「イッ、ニッ、サッ、シッ...」を流しながらセッションで演奏してみてください。ただ、決して速くはならないように。拍を長く感じ、余裕が出てきます。見える世界も変わってきます。え?頭の中でずっとそんな事なんて考えていられない??でしたら、そんな方はまず足の踏み方を変えましょう。拍の鋭い立ち上がりを意識して足を踏むのです。たぶんもう踏み方も変わってますよ。そう、もうすでにドラマーのフットハイハットのように足を踏んでいるはずです!

2017/08/25