エレキベース・セッション用語集

初心者の方などからよく聞かれる用語集です。画像や動画もいくつか載せていますので、ゆっくりとご覧になってくださいませ(ただし、あくまで簡易的な説明ですので、わからないところはレッスンなどで聞いて下さいませ)。※あまり手を広げ過ぎないようにするつもりですが、少しづつ更新していきますね。

【あ】

アイコンタクト 
目でやりとりする合図。次のソリストへソロを受け渡す。また、次にどのような展開にするかがお互いに見えている場合に、その移行タイミングを知らせること。

アカリ 
ライブハウスなどの照明を指す。「リハ始めます。本番アカリでお願いします〜」etc...

アドリブ
各楽器の「アドリブソロ」のこと。ジャズはテーマを演奏した後、各楽器奏者のアドリブソロを回します。この際には、(主に)テーマで使われたコード進行はそのままで、旋律を自由に作りながらメロディーを即興的に作っていきます。ここにジャズの醍醐味がありますが、決してテーマを軽視して良いわけではありません。
順番の決まりは、特に何も決めなかったら、テーマを演奏した楽器(フロント楽器)→他のフロント楽器→ギター→ピアノ→ベース→ドラム(4バースなど)とくるのが一般的です。ジャムセッションではあまりひとりで4コーラスも5コーラスもソロをとると嫌われますのでご注意を。またバラッド曲などではベースやドラムにはソロが回ってこない事がほとんどです(メンバー数次第では、やたら長くなるので)。

アプローチノート(リーディングノート・経過音)
次に来る音を予感させる音、導く音。ベース用語としては、次のコードのルート音を導く音。強進行の定義とともに諸説分かれるところであるが、楽理上の正確性よりもメソッド(方法論)としての使いやすさを重視し、私は「半音下・半音上・全音下・全音上・次のコードの五度」がアプローチノート・リーディングノートとして機能するととらえている。

アルアイレ アポヤンド奏法
アポヤンド奏法→指で弦を下に押し込むようにして鳴らすエレキベースの基本的な奏法。力強い音が得られる。下に押し込むため、弾いた指が手前の弦
(より太い方の弦)にあたるのが特徴。演奏動画


アルアイレ奏法
→弦をやや上側(持ち上げる方向)につま弾く奏法。アポヤンドに比べ、やや弱めの音になるが、細かい音色コントロールなどに優れた奏法。弾いた後の指は手前の弦にはあたらない。演奏動

※2017.8.17演奏動画更新(名称表記)

アルペジオ
和音の構成音を分散して演奏すること。コードを歌えるようにするために、楽器での音の位置を掴むトレーニングとして、非常に重要である。

イーブン
三連系のようにはハネずに、八分音符(や十六分音符)を均等な符割りで演奏すること。

イコライザー(EQ)
特定の周波数帯域の音を増幅もしくはカットするなどして、音色・音響を補正・調整する装置。

イチロクニーゴー
ⅠM7   Ⅵm7 (Ⅵ7) Ⅱm7   Ⅴ7という進行を指す。いわゆる「循環進行」。

「イントロはピアノで」 
曲のメロディー(テーマ)へ入るタイミングをピアノの方作ってください~、の意。4小節や8小節のインプロビゼーション、またはフリーソロからのテンポ出しなど、様々な手法が研究されている。当然「イントロはベースで」もあるので要注意。

ウラ
広義では、拍の八分ウラ、十六分ウラなどを指すが、ジャズにおいては、主に四拍子における二拍目、ならびに四拍目のことを指す
ことが多い。

裏コード
ドミナント7thの代わりに使用される♭Ⅱ7のこと。Ⅴ7と同様のトライトーンをもつが、構成音が異なるノンダイアトニックなコードため、(代理ではなく)表と裏の関係と言われる。※重要概念ですので、理論書参照の事

エーエービーエー
曲の構造形式のひとつ。Aメロ二回→Bメロ→Aメロ(少し変形している場合もあり)と進む曲。ex.「It's only a paper moon」など

エービーエーシー
曲の構造形式のひとつ。Aメロ→Bメロ→Aメロ→Cメロと進む曲。ex.「Someday my prince will come」「Beautiful love」など

エレアコベース
アコースティックギターのようなボディ構造を持つベース→演奏動画
詳細はこちらのサイトにて→「エレアコベースドットコム」

「エンディングはリットしてフェルマータで〜」
エンディングの指示のひとつ。曲が終わる直前(主にドミナント7thコードで)に、テンポを落として(伊: ritardando  リタルダ
ンド)、最後の音(主にトニックコード)を全員で合わせる。その音はしばらく伸ばして(伊: fermata フェルマータ )、合図で音を止める。バラードなどのスロー曲によく見られる。

「エンディングは3回繰り返して三回目はリット〜」
エンディングの指示のひとつ。最後の4小節(または2小節)を三回繰り返して終わること。

「エンディングは逆循で〜。最後はテキトーに合図出します〜」
エンディングの指示のひとつ。Ⅱm7-Ⅴ7の後にトニックで終わるところを解決せずに、Ⅲm7(♭5)-Ⅵ7を挿入。その後はⅢm7(♭5)-Ⅵ7-Ⅱm7-Ⅴ7という4小節を任意の長さ繰り返す。ここで終わりという最後の合図はソリストがフレーズ(や身振りなど)で伝える。※「逆循
」は重要概念ですので、理論書参照の事

オーダー別
通常のライブでは、MC(ミュージックチャージ)に飲食代は含まれていないため、この代金がMCとは別にかかりますよという意味。最低ワンドリンク以上はオーダーしてくださいというお店がほとんど。まれに「2オーダー、または1,000円以上のオーダーをお願いいたします」のようなお店も。

オクターブ奏法

演奏動画1(8beat)
演奏動画2(16beat)

【か】

カットアウト 
曲の終わりなどで、余韻を一切残さずに音を止めること。

カンテツ 
全ての荷物・機材などを完全に撤収し終えるべき時間を指す。「夜の部のライブのミュージシャン来ますんで、16:30カンテツでお願いしま〜す!」etc...
 

逆循(ギャクジュン)
「エンディングは逆循で〜...」参照のこと

経過音(リーディングノート・アプローチノート)
次に来る音を予感させる音、導く音。ベース用語としては、次のコードのルート音を導く音。強進行の定義とともに諸説分かれるところであるが、楽理上の正確性よりもメソッド(方法論)としての使いやすさを重視し、私は「半音下・半音上・全音下・全音上・次のコードの五度」がアプローチノート・リーディングノートとして機能するととらえている。

ケツカッチン
これは音楽用語ではないが、よくリハの時に聞かれます。要は次の予定がつまっていること。「ごめん。ケツカッチンだから飲みは付き合えないわー」

ケツハチ
最後の8小節、の意。イントロなどで使う。ex.「イントロはケツハチでいきま~す」

弦高
弦の高さ。六角レンチでブリッジのサドルを上下させることによって調整する。

コードトーン
コードの構成音。ルート・三度・五度・七度(スケールの一番目・三番目・七番目の音)を指す。

5弦ベース
4弦ベース+低音部にもうひとつの弦(ローB)を付けたベース。音の数自体は、単に下に5音増えるだけであるが、「使えるポジションの幅」が格段に広がるため、選択肢が増え、運指・フレーズをつくる可能性も広がる。ただ、ミュートが煩わしいのが最大の難点。

【さ】

サウンドチェック
リハーサルの前に、PAさんが、各楽器の音量や音質などを大雑把に調整する時間である。ドラムのバスドラから始まり→セット全体の調整→ベース→ギターやキーボード....などの順に行われる事が多い。ちなみにジャズのライブが行われるような小さなハコでは、全て演奏しながら自分で微調整するしかない。

シールド
楽器からアンプなどへとつなぐ際に使うシールドケーブル。ここにお金をかけるのは、一番最後でよい。

スタッカート
音の長さ短く切って演奏する。ベースの練習として、非常に重要である。
演奏動画(押弦のスタッカート~解放弦のスタッカート)

スライド 
弦の上を滑らせるように動かして、連続的に滑らかな音程変化を得る奏法である。

スラップ(チョッパー
親指で弦を叩き(サムピング)、また人差し指で弦を引っ張りはじく(プル)、ということの組み合わせの奏法。
演奏動画

遭難
自分の居場所がわからない、すなわち、譜面を見間違えるなどして、曲のどの部分を演奏しているかわからなくなる状態。フロント楽器が遭難しても大したことにはならないが、ベーシストが遭難しているときなどは、全員が青ざめることになる。

「ソロはハーフで、アトテーマはサビから」
バラードなどのスロー曲において、曲が冗長になることを避けるために、ソロを短くすることがある。この場合がまさにそれで、ソロは通常の半分(AABAの最初のAAまで、とか)で終わらせ、サビのBから歌や楽器のテーマが戻ってくることをいう。
なお、この事が事前に決まっていないような時、フロント(主にバンマス)がバンドに向けてこっそり出す、指を鍵状にする「ハーフ戻りのサイン」もある。

【た】

カーポ
進行に関する用語。曲の一番初めに戻る。

タブ譜 
ギターやベースの演奏で使われる図である。厳密に言えば、楽譜ではない。数字とその場所によって、押さえる場所を提示する。

ダルセーニョ
進行に関する用語。「セーニョ」へ戻る。

チャージ
ミュージックチャージのこと。「ライブを聴く」事に対する値段であり、飲食代は別である。ちなみに、この中から一定の割合(店により異なる)がバンドにバックされ、それをメンバー数で割ったものがギャラになる。いわゆる「チャージバック方式」である。

DI
ダイレクト(インジェクション)ボックスのこと。ライブハウスなどで、ベースからのアンバランス信号を分岐してミキサーに送るための装置。

テーマ
曲の主旋律。メロディ部分。ジャズにおいては、テーマを演奏した後アドリブソロへと進み、最後にもう一度テーマを演奏してエンディングに向かうのが通常である。

「テキトーに合わせて〜」
場の空気を読み、適切な音を注意深く選択し、音量は上げ過ぎず下げ過ぎず、決して弾きすぎないように音を制御してください。あっ、もちろん周りの人を気持ち良くさせてね〜、の意味。

トゥコーダ 
進行に関する記号。Coda(コーダ 最終楽章)へと進む。

ドミナントペダル
ベース的には、コードネームが変化しても、調性のⅤ7のルートをキープし続けることを指す。イントロなどでもよく使う。

ex.    C    Am7    Dm7   G'7    Em7    A7     Dm7      G7  なんてコード進行見ても、ずーっとGを弾いてること。ハーモニーは流れているけど、ベースが止まっているから、なんとなく物語は進行していない雰囲気。

ドリンク
ジャズのお店ではたいてい500円~が相場だが、場所によっては800円~などというお店も決して少なくないのでご注意を!

ドンシャリ  
イコライザーにより、中域を減衰させたサウンドである。クリアな音色だか、アンサンブルの中で埋もれてしまう危険もあるのでほどほどに。

(極端なドンシャリセッティングの例)

ドラムと合わせる
主にバスドラムとベースの発音タイミングを合わせることを指す。ポップスの世界ではきちんと合わせるのが当たり前だが、ジャズの場合はバスドラムよりも(フット)ハイハット聞いてます。

【な】

投げ銭 
明確なチャージ金額が設定されていないライブの形態。額面通り受け取れば、自分が考える「演奏に見合った分の金額(任意)」を、応援の気持ちなどとともに投げ銭ボックスなどに入れればよいが(演奏後)、暗黙の了解的に「ここは日本だし、普通、お札を入れてくれるよね?出来れば他の良くやる僕達のライブチャージと同じ程度(2,000円を指す)いれてくれると嬉しいなあ〜」との、ミュージシャン側の淡い期待がある場合が多い。ただし、無視しても可である。ボックスが透明な場合があるので要注意。

ナット
ヘッド側の弦を固定するパーツ。弦の振動をボディーに伝えるものなので、地味だが重要なパーツである。材質によるが、数年の使用で削られてくるため、交換が必要。

何時入り? 
ライブ当日、またはイベントなどでのミュージシャンの出勤時間である。当日のイベントか何時から始まるかは知らないが、自分の入り時間だけはきっちり覚えているミュージシャンが多い。ちなみに、ドラマーはセッティングに時間かかるので、入り時間前に入ることが多い。ピアニストが一番後に来ることが多いように思う。

 


【は】

ハコ 
ライブハウスなどの演奏場所のことである。「このハコは、鳴りが良いねえ〜」etc...

ピックアップ
弦の振動を電気振動に変換するパーツ。
②アドリブソロの直前に、バンドがブレイクして止まってある間、ソリストが行なうソロの導入部分。バックのリズムが止まるため、一瞬の緊張感を生みだす。

ブルース(ブルーズ)
ここでは語りつくせない。ジャズに限らず、ポピュラー音楽すべてに影響する源泉であり、概念である。様々な書籍でその歴史を知ることができるので、是非勉強してみてほしい。

4ビート 
和製英語。リズムの種類を表す言葉のようでもあるが、実際の使われ方としては、=「JAZZ」を表す。ベーシストに向かって使われる、「4ビートで」「スイングで」「ウォーキングベースで」はずべて同じ意味である。 

ex.「Aメロはボサで、サビからスイングで~」。

ベースアンプ 
生音の出ないエレキベースの音を増幅し、アンサンブルできるようにする装置。イコライザーなどを装備し、音質調整の役割も担う。具体的なセッティング方法などに関してはこちらのサイトで!→「5分で解決!ベースアンプのつまみ設定ナビ!」

ペダル
セッションなどで使われる場合は、主にベースペダルポイントのことを指す。ベース音をコードに合わせて動かさず、一定の音(最初のコードの一度や五度の音)を弾き続けること。

【ま】

ミュート 
広義では、音を出なくする事全般を指す。狭義では、「余計な音を出さないように鳴らしている弦以外に指を触れておく」ことや、「押さえている音自体の減衰をコントロールするミュート奏法」を指す。弦の下にフェルトのようなものをかませる、物理的なミュートもある。

【ら】

ラテン
この言葉ね~....すごく広い意味の言葉なのですが、非常にあいまいな使われ方をされています。キューバ系・ブラジル系でも違うし、その中でもリズムの種類なんか多岐にわたる。「そこはほら、なんとなく適当にやってよ~」なんて言うボーカリストは私の周りのプロにはいません。ここら辺、重要なことと思っています。とはいえ、ホントいろいろあるから、イメージだけでも口にできると良いです。もちろん、リズム隊も勉強しておくことが必要ですよね。少なくともよく演奏されるいくつかのジャンルに関しては。

ちなみに私の場合はジャズ系がほとんどで、ラテンの曲などはまったくといってよいほど知りません。ただ、主要なリズムについてはいつでも出せるように練習はしてます。ラテンは専門外ですと言っていますが、それはラテン音楽全体に対するリスペクトゆえ、軽々しく「ラテンできます~」とは言ってはいけないと思っているからなのです。

リーディングノート(アプローチノート・経過音)   
次に来る音を予感させる音、導く音。ベース用語としては、次のコードのルート音を導く音。強進行の定義とともに諸説分かれるところであるが、楽理上の正確性よりもメソッド(方法論)としての使いやすさを重視し、私は「半音下・半音上・全音下・全音上・次のコードの五度」がアプローチノート・リーディングノートとして機能するととらえている。

6弦ベース
4弦ベースの上下に弦を足したベース。4弦ベースに比べ、音域は格段に広がる。ハイポジションでのソロプレイなどに威力を発揮するが、ミュート(余計な音を出さない工夫)も格段に面倒になる。

2020/03/22