ベースソロの伴奏について

ベースソロの伴奏について

 

様々なご意見ある事を承知の上で、あくまで私個人の意見として発信したいと思います。ベースソロの「伴奏」(あえてこの言葉を使いますね)はどうすれば良いのか?

伴奏してくれ、いや、しないでくれ、こういったソロの時は伴奏欲しいけど、こんな時はいらない。音を切られるとやり難い...etc。ベーシストからの意見も様々ですよね。きっと困っていらっしゃるピアニストやギタリストなども多いかと思います。

 

私は伴奏してくれ派です。いや、言い換えましょう、「演出を手伝ってくれ」「関わってくれ」派です。

 

他の楽器が演奏している間、ベーシストはそのメロディやソロが引き立つように、音楽的に良いものになるために、一生懸命演奏しています。関わっていきます。ソロ奏者や他のメンバーと絡み合いつつ、より音楽的な高みに向かうべく演奏・演出している訳です。だからあなた達もそうしてくださいと言いたいのではありません。そこにあるのは、「今あるこの音楽を一緒に創っている」という感覚なのです。バッキングであれ何であれ、主体的にその音楽に関わり、自らの美意識と相手への敬意・愛をもって演出をしているという意識なのです。

もちろん他人同士ですから、上手くいかないこと・噛み合わない事も多々あります。そちらの方が多いかも知れません。ただ、そこは大きな問題ではありません。大事なのは、「それぞれの人間が演出し合い、絡み合うという強い意識」であって、逆にこれさえあれば、少々技術的につたなくても「ジャズ」であり、「セッション」が成立します。というか私は、これなくして「ジャズ」とは言えないと思っています。技術ではなく意識です。

 

つまり私は、「ベースソロ」というコーナーですら、皆で創りたいのです。図々しくも皆さんのお力を借りて。

逆に、そういった意識の下にあるならば、あえて誰も伴奏しない、という演出も時には良いと思います。ベーシストの自由度は減りますが(逆に自由だ、という方もいらっしゃるかも)、それはそれで燃える場合も多々ありますし、面白い演出になることもありますよね。ただ私は、一人にされてもお構いなしにどの曲でもどんどん道を切り開いて盛り上げていけるような、そんなもの凄いプレイヤーではありませんし、音と音とが混ざり合い、にじみ合うようなサウンドが好きなので、出来ればそれをデフォルトにはしてほしくはないです。たまに意地の悪さと、変な上から目線で、わざとベースソロで演奏を止めるドラマーとかいますが、そういった「音楽に目がいってない」「聴き手の立場に立てない」タイプは私にとっては論外。ちょっとしたイタズラ心とかは、音楽の楽しい要素のひとつになりますけどね。

要は、聴き手のために、相手のために、そして自分のために、その場面をどのように演出しようとしているかなのです。その上で、お互いの演奏をすり合わせつつ高め合っていく、という事をやりたいのです。

最も困るのが、「こんな風に弾いときゃまあいいんだろう」や、「関わらないでいいや」的な無責任な態度です。「どうせわからないし、後で適当に入ろう」な感じもものすごく嫌です(そう思っている人はだいたいいつもそういう演奏をするので、すぐわかります)。これは初心者の方に特に欠落しがちな点なのですが(セッション始めて1年くらいまでの方は、ある程度は仕方ないかなあ)、実はプロの演奏者にも、こういった良くない気持ちを演奏中に感じる時があります。ジャズをよく知らないとかいう引け目やコンプレックスがそうさせているのかな?と思う時もありますが、ものすごく上手いプレイヤーにも感じる事あります。まったく関わってこない、自分の事だけさっとやっていくパターン。大っ嫌い!

 

あ、いや、ついつい興奮してしまいましたが(笑)、私が思ってるのは要はこんなことなのです。ジャズのベテランさんからは、いや違うという意見もありそうです。そもそも私の方がジャズに向いてないのかも、と思うことも多いですしね(笑)。
違ってもいいです。少なくとも私にとっては、それぞれが思っている演出・美意識をぶつけ合って、お互いに敬意を持ち合って即興で音楽を創る。それこそがジャズの楽しみ方であり、感動してきた事であり、それで本当に信頼し合える相手や瞬間に巡り会えたら、それこそがとても幸せな事なのです。

 

とはいえ、初めに書いた通り、意見は様々です。他のベーシストの方々も、是非自分がベースソロの時にどう思っているかなどを、ブログやSNSなどで発信すると良いと思います。困っている共演者、たくさんいると思いますよ。

 

 

ちょっと長くなりました。本当に自分は常にそうであったか?自分のこれまでのあり方、そして今だ至らぬ演奏技術の未熟さに対する反省、そして今後関わる音楽への、強い戒め・決意をもって書いたつもりです。ご意見など、是非お寄せください。