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音量感、そしてベースソロのバック

不思議なことに、ベースの音量については、たまに真逆のことを言われます。時に大きすぎる、時に小さすぎる...。生徒さんからもよく「適正な音量」について質問されることなのですけど、これは何とも答えようがない質問なのです。私だって、たぶん現場ごとに違うし、特に周りのメンバーによっても違ってきます。曲中でもボリュームはすごくいじりますし、少なくともアンプの目盛りや数値で言い表せられるものではありません。

 

ごく一般的な見地(基準)からすると、どちらかというと私は「音が小さい」方のベーシストに分類されると思います。
部屋のサイズにあまりに不釣り合いなバカでかい低音出しても、全然気持ち良いとは思いませんし、全体のバランスの中で、メロディよりベースの方がでかいというのは嫌です。なによりトータルのバランスが取れていないのが嫌なのです。私は音量の基準はメロディに置きます。メロディに対して、どの程度の低音を供給するか、という観点から音量は決めるようにしています。生のピアノをお構いなしにかき消してしまうようなドラムがいる時でも、ピアノよりは出たくないのです(結果「小さい」と言われますが)。この点は演奏者の技量にも当然影響されるので、たとえば初心者セッションなどでは、もうどうにもならない事もあったりしますが...。

音色的にもできれば音量はあまり上げたくないです。
アンプは増幅すればするほど歪み成分が増えてきます。クリアな音質が好きな私の苦手な部分が増えてくるのです。この点はアンプのヘッドルーム(出力的余裕、と言い換えても良いでしょうか)にも左右されます。同じ音量でも100wのアンプをボリューム9で使うのと、350w出るアンプを6で使うのとでは、音色の余裕が全然違いますよね。あの感じです。まぁ、そんな余裕ある状態で音をだせるのはリハスタくらいなので、たいていは泣く泣く音量あげてますけど。

もしトータルバランスがうまく取れている状況ならば、ベースアンプの音はあまり上げたくない、というのが私の基本的価値観なのです。

 

 

音量感にもかかわるのですが、ジャズの世界ではベースソロがあります。そのベースソロのバックでの演奏も結構難しいですよね。伴奏合った方が良いのか、無い方が良いのか。ずっと小さい音量でやったほうが良いのか、一緒に盛り上がってよいのか!?

以前も書いたかもしれませんが、ベーシストによって好みも様々です。この点、すごく大雑把に分類すると、まずビバップ系のベーシストは伴奏いらないって方が多いように思います(あくまで私見です)。高速アルペジオなどでコード感とリズムの疾走感を出すことに主眼を置いたソロをとる方が多いからと思います。それに対して、ECM系メロディー紡ぐ派は伴奏欲しがるように思います。この場合はメロディーの下にハーモニーもある程度のリズムも作ってあげて、さぁどうぞとやってあげると喜ぶでしょう。私もどちらかというとそちら側。でも、たまにはアルペジオ的に疾走系のソロもとりたい。そんなソロを始めて意思表示した時は、ひとりもしくはドラムと二人にしてもらっても大丈夫なのです。要は聴いて判断してってことなんですけど、別にわがままでもないですよね!?だってベーシスト達は皆いつでも、フロントや他の楽器奏者達が気持ち良くなるように、格好よくなるように考えて伴奏してるんですから~(ホントですよ)!!一番嫌なのが、どれかにせざるを得なくなるという状況ですね。メロディ弾く気満々だったのに、周りがみんな演奏やめて休憩してるから、アルペジオ系にいかざるを得なくなったとか...(すごくある)。気持ちを汲んでくれない時(´・ω・`)

まぁ、要は「関わってほしい」ということなんですけど、これが意外に少ないんですよね。悲しいことに。一緒に「ベースソロ」という場面も作ってくれないと、なんかすごくむなしく感じる時もあります。

 

 

この点、とあるドラマーはいつでも私に関わってくれるんです。くまなく私のソロを聴いて反応し、交じり合おうとしてくれるんです。

それが明日もご一緒させていただくJun Saito氏です。常にこちらの挙動に気を配り、変に引くわけでもなく、オーバーに反応するでもなく、でもしっかり「関わってくれる」。他人の音を注意深く聴き、意を汲んでくれるから、音量も的確に交じり合ってくれる。いつもそんなアプローチをしてくれるんです。こんな幸せなことはないのです。ものすごい大先輩(バークリーで教えていた方、ですよ!)との、そんな会話を明日も出来ると思うとわくわくなのです。

もちろん、私自身もきっちり周りのメンバーの気持ちを汲んだ演奏を心がけたいと思います。そして、ギターの伊谷さんとともに、この3人でしかできない表現を目指していたいと思っています。

なんだか眠いんだけど書きたいことが次々出てきてしまって、結局ごっそりカットしたり....ぜんぜん文章がまとまりませんでしたが、明日もあるのでもう寝ます。変だったら後で直しますね。明日もどうぞよろしくお願いいたします!!

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2018.7.19(木)STD(SHOOT THE DICE)LIVE@西荻窪TERRA

19:00オープン
19:30スタート
3,000円+オーダー

伊谷希(Gt)
野々口毅(Bass)
Jun Saito(Drums)

 

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