日記

2024/03/03

ビッグバンドとはまたちょっと違った編成のラージアンサンブル、昨日の本番演奏二回もとても楽しみました。ご来場いただいた皆様、関係者の皆様、ありがとうございました!

普段のお仕事では、なかなかバイオリンやチェロなどと同じステージで演奏することはありません。そんな私がエレキベースをもって、よりクラシカルなアプローチをする楽しさを覚えたのは、かれこれ十数年前に故:上田明生先生に機会を頂いたこのアンサンブルだったのです。

緻密なアレンジの上で、複数の弦楽器や管楽器とどう調和し高め合っていくか。ダイナミクス・タッチ・アンプによる増幅......正直、エレキベースの音色ではなかなか音が溶け合わないなぁと、とても難しい感覚をもった経験もあります。その頃から、特に演奏のタッチ、エレキベースに触れる右手の触感は鍛えられていったのだと思います。ベースという楽器の極めて重要な部分を占めていると思っている「触感」。これが弱音や繊細なボリュームコントロールと合わせて磨かれていったのは、このアンサンブルでの演奏経験がとても大きかったのです。

個人的な演奏の事だけでなく、コード進行や管弦楽器のアレンジなどからうかがえる編曲の意図.......今はもう伺うことのできないご本人の「意志」を想像し丁寧にくみ取っていく仕事は、とても知的で興奮するものでした。「あー、上田先生きっとこのメロディーを活かすためにこのコード進行にしたんだな!」「上のアンサンブルがあるから、このコードが付けられているんだな!」などと、リハや本番での演奏中にも何度もそんな感覚にもなりました。これは記載されている以上の事を楽譜から読み取る、とてもよいレッスンを受けているようでした。

さすがにこの大所帯のアンサンブルでの再演は難しいかもしれませんが、もしまたそんな機会があったら是非参加させていただきたいと思っております。

素敵な演奏機会を頂きました。上田先生、ありがとうございました。そして、お誕生日おめでとうございました!

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