トレーニング

読譜と無線電信

自衛隊時代に無線電信の訓練を結構受けました。「無線電信」って聞いてピンとくる方はあまりいらっしゃらないかと思いますが、いわゆるモールス符号による通信のことです。こんなやつです(Youtube)。自衛隊では、その音の響きからか通称「トンツー」と呼ばれています。

これ、初期の訓練は、まず受信した言葉を書きとることから始めるのですが、速いスピードで受信される音を聴きながら書く作業は結構大変です。聞きながらリアルタイムで書こうとしても、やがて追いつかなくなります。で、どうするかというと、聞く作業と書く作業を分離するわけです。意識の多くは聞くことに注意し、書く作業は後からやるわけです。

これ、聴いたものを数秒遅れて書いていくのですが、慣れてくると数十秒前に聞いた音を遅れて書いたりできるようになっていきます。意識の8割は今鳴っている音を聞き、残りの2割で書く作業を担当する感じ。

そう、ちょっと読譜に似ていますよね。視線は次の小節に行ってるけど、演奏しているのはほんの何拍か前の音ー。意識と行動の分離。初見の譜面を演奏するときなどは特に、こんな風にちょっと先を読むこと意識してます。両者の違うところは、「今聞いた音をあとで書く」トンツーと、「先に譜面を読んでおいて、今演奏する」と時間軸がちょっと前にある読譜。また、「書く」という作業に対して「演奏する」という身体の挙動は、はるかに難易ですけどね。

今日も、この視線が少しでも前に行けるように、楽譜に弱い私は必死に練習しています!

 

 

 

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