日記

通学路

実家に寄る用事があったので、久しぶりに三軒茶屋へ。時間もあったので、なんとなく近所でも散歩してみようと思い、40年前、友人達と駆けずり回っていた地元に向かう。

実家は道路拡張のための土地収用にかかり、駅前のマンションに移った。生まれ育った生家はもうそこには無く、思い出深いその家があった場所には、今では大きな道路が通り、新築の家やマンションが建ち並んでいる。
変わり果てた大きな道路を横断しながら、友達の実家があったあたりまで足をのばしてみる。すっかり変わっちゃっているのでは?とドキドキしながら旧道に入っていくと、そこには変わらぬ姿の友人達の実家があった。

なんだか嬉しくなって、足をのばしてみることに。少し歩くと、そこは小学校時代の通学路。見覚えのある角の材木屋さん、古びた妙に威厳のある家、ここのおじさんが怖い。サッカークラブの監督の家の表札もそのままだ。どれも昔のままにそこにあった。通学路の行き方もはっきり覚えている。お墓を曲がって少し歩けば小学校だ。

通学路を歩きながら、一気に40年前に遡る記憶の中には、もはや楽しい想い出だけがちょっと甘酸っぱく存在している。40年後にまさかこんな気持ちで歩いているとは知れなかった少年時代が、関わった人々との想い出とともに鮮明に蘇る。その画像の色はセピアなんかじゃない、まだ鮮明なカラーだ。ああ、よい時代を生きてこれた。良い奴らと出会えた。

そう、そしてこんな感情を音楽で表現したいのだった。ジャンルがどうこうではない。大好きな夕焼けの画像、関わった人達とのちょっと甘酸っぱい想い出、時に胸が締め付けられるような感情。
あらためて思い出した。通学路はまだまだ途中だった。やるべき事は山ほどある。しっかり生ききろう。そして、10年経ったらまたこの通学路を歩きにこよう。

 

 

 

 

 

 

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